きったんの、その一足が道となる

kintoneを使った業務改善の記録

kintone×PCAクラウドの連携を試してみる ~Yoom編 テーブルの行数で分岐~

kintoneとPCAクラウドを連携させ、業務の効率化を進める試みをしています。

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前回のYoom編では、kintoneの売上伝票入力アプリにレコードが登録されたことをトリガーにしてPCAクラウド商魂の売上伝票に登録するというフローを作りました。

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しかし前回は、元のアプリの売上明細テーブルの行数が3行であることが前提でフローを組んでいました。
実務では明細行が1行だったり2行だったり10行以上だったり毎回変わるわけです。
ですのでそれに対応するフローを組んでいく必要があります。

今回はその方法を考えていきます。

行数の取得方法


まず行数を計算する方法を考えます。
色々方法はあると思いますが、今回はkintone内でしかも標準機能だけでできる方法で行数を計算します。

売上伝票入力アプリの明細テーブルに数値フィールドで「行」を追加し、初期値に1を設定します。


次に計算フィールドを追加し、テーブルの行フィールドを合計するSUM関数を設定するだけです。


これで明細テーブルの行数が計算できるようになります。
もしこのフィールドが邪魔になったり気になったりする場合はプラグインやカスタマイズを使用してフィールドを非表示にするなどすればいいと思います。

行数による分岐


ベースは前回と同じフローを使いますが、kintoneのレコード情報を取得するオペレーションに「行数」フィールドをアウトプットに追加しておきます。

データ領域の選択のオペレーションの後、「データ領域の選択」の後に「進行先を切り替える」のオペレーションを入れます。
アウトプットに登録した「行数」の値によってフローの進行先を切り替えます。


取得した行数が1なら1行分、2なら2行分、3なら3行分・・・・
設定するYoom側の明細項目を増やしていきます。

明細行2行のレコードを試してみます。





行数2で進行先が切り替えられ、2行の売上伝票が作成できました!


まとめ


今回Yoomさんのチャットサポートに問い合わせながらフローを作成しました。
kintoneのテーブルはなかなかややこしいとおっしゃっていました。
それはkintone界隈でもよく話題になることなので、アプリ作成時、データをテーブルにするときは注意が必要ですね。

さて、今回のポイントはテーブルの行数で分岐させることですが、
上記では4までしか設定していません。
もちろん5行以上の明細になる場合もあるでしょうし、当社でも20行の明細が出る取引があります。

その場合は対応しやすい運用ルールを設けてみるのも手段の一つだと思います。

  • 20行まで対応できるようフローを設定する
  • 明細の最大行を決め明細を分ける
  • 一定の行数以上は手入力にする

例えば「明細行が5行よりも多い場合は手入力で対応する」という運用ルールを設けた場合、レコード情報を取得後に分岐のオペレーションを追加し、
「行数が5より大きければ担当者に手入力対応」という依頼をする設定ができます。
Yoomであれば、SlackやLINE、LINE WORKSなどにも通知を出すことができるので、運用や環境に応じてアラートの設定もできそうです。

以上で今回の設定は完了です。
行数の設定がすべて手作業になってしまうので、例えばオペレーションを複製したり、ドラッグ&ドロップでオペレーションを移動できるようになれば設定が楽になるなと思いました。



とにかく、Yoomを使うことによってkintoneとPCAクラウドの自動連携が可能になるのは実務担当者にとって非常に大きなポイントです。



と、ここまでkintoneとPCAクラウド商魂の連携を試してみました。
Yoomを使うと自動連携できることは大きいのですが、
コストや設定の点からも考えると、伝票の連携はプラグインで行うのが手軽でやりやすいと感じています。

現状kintoneとPCAクラウド商魂でできることはこれぐらいなので、
次回からPCAクラウド会計との連携を考えていきます。