きったんの、その一足が道となる

kintoneを使った業務改善の記録

kintone×PCAクラウドの連携を試してみる ~プラグイン編 売上伝票の連携~

kintoneとPCAクラウドを連携させ、業務の効率化を進める試みをしています。
前回は「PCAクラウド連携プラグイン for キントーン」を使用して、kintoneとPCAクラウド両方で管理していた商品や取引先マスターを連携させることができました。

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今回はkintoneとPCAクラウド商魂の売上伝票の連携を考えていきます。

※当社で抱える大元の課題として、1つの建物内に2つの法人が存在し、PCAではそれぞれ別の領域で管理し、kintoneではまとめて一つで管理しているというものがあります。

今回クリアしたい課題


今回クリアしたい課題は2点あります。
ほとんどがマスターの連携と同じではありますが。

  1. データ共有用にkintoneに売上データを入力し、その後販売管理用にPCAクラウドに入力するという二度手間
  2. マスターと同様、売り上げに関してもkintoneでは一つのアプリで管理しており、販売管理はそれぞれの法人ごとに管理している

1.入力の二度手間問題の解決


1の課題をkintoneとPCAを連携させることで解決します。

マスターアプリとプラグインの設定

ダウンロードしたアプリテンプレートからアプリを作成するとすごいアプリが出来上がります。



ここまでの情報は必要ないので、今回は自社で売上伝票アプリを作成しました。



このアプリにプラグインを設定していきます。

マスター連携用のアプリで設定した方法と同様に進めます。
上から順に契約時にPCAから送られてきた「利用通知書」を見ながら入力していけば、商魂で設定しているデータ領域を取得できます。



続いてkintoneのフィールド項目にPCA商魂のマスター項目を割り当てていきます。
この辺りはマスター用プラグインでの設定と同じです。



マスター用プラグインと違う設定は、

  1. PCAクラウド商魂に転送した日時を保存するフィールドの指定(転送を行うと日時が自動入力されます)
  2. kintoneの設定した一覧画面で、転送用のボタンの表示非表示を設定を一覧ごとに設定
  3. kintoneでプロセス管理を行っている場合、ステータスによってボタンの表示非表示を設定



これで設定が完了し、一覧画面にボタンが表示されます。



このボタンを押すことで、kintoneからPCAクラウド商魂へ売上データを転送することができます。

これで入力の2度手間は解消することができそうです。

kintoneの一覧画面の表示設定を、「PCAクラウド商魂に転送した日時を保存するフィールドが空白」にしておけば、未転送のデータは常に表示されるので転送漏れも防ぐことができそうです。


2.kintoneで1つPCAで2つの領域で管理問題の解決


当社の取引において、単純に「売上」と言っても4パターンありました。

  1. D薬品株式会社から取引先への売上
  2. H製薬株式会社から取引先への売上
  3. H製薬株式会社からD薬品株式会社への売上
  4. D薬品株式会社からH製薬株式会社への売上

このうち3と4に関しては会計上だけの処理なので今回は取り上げません。

kitnoneの売上伝票アプリからPCAクラウド商魂に転送するのですが、
1つのアプリ(プラグイン)からは1つの領域しか設定できないので、
このアプリからは取引数の多いD薬品株式会社の領域への転送用のアプリにしました。

H製薬株式会社への転送は、H製薬株式会社への転送用アプリを作成し、標準機能のアプリアクションでレコードコピーをしたあとH製薬転送用アプリからPCAクラウド商魂のH製薬株式会社の領域へ転送する流れにしました。



完全に手動になってしまいますが、2の取引数があまり多くないことから一旦は手動で対応し、取引が増えてくればH製薬転送用アプリへのコピーはカスタマインやkrewDataなどで対応することを視野に入れています。

こうすることでなんとか2つの領域での管理問題に対応した形になります。


まとめと課題


以上で売上伝票の連携が完了しました。
同様に、受注伝票を転送できるプラグインもありますので、受注の段階でkintoneと連携をし、その後売上の管理を行うという運用方法もあると思います。



前回と今回で、kintoneとPCAクラウド商魂の連携が完了しました。
できるようになったのは、以下の4つです。

  • 商品マスター
  • 取引先マスター
  • 売上伝票
  • 受注伝票

最後に、このプラグインに対する個人的な要望を書いておきます。

1.できることが増えてほしい

マスターであれば直送先マスター、
取引なら入出金、または締後の請求データをkintoneと連携できるようになってくれるといいなと思います。

できることが増えて、どこからどこまでをkintoneでどれをPCAでという選択を柔軟にすることができれば、会社によって使い分けられ、kintoneの良さをさらに活かせるのではないかと思います。

2.一方通行の連携であってほしい

今回のプラグインでは、
マスターは PCAクラウド商魂→kintone、
伝票は   kintone→PCAクラウド商魂

の流れになっています。

運用でカバーするしかないのですが、
やはり業務は一方通行で流れていってほしいというのが正直なところです。

当社としてはkintone→PCAクラウド商魂の流れで統一できればさらに使いやすいものになるというのが率直な感想です。



次回はYoomを使った連携を試してみます。