きったんの、その一足が道となる

kintoneを使った業務改善の記録

構想6か月のアプリがようやく完成した話 〜第2話 点の改善から線の改善へ〜

前回、受注〜出荷までを管理するアプリの作成について書き始めました。
今回も引き続きアプリ作成に関する経過を書いていきます。

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kintone導入以前の業務

先述の通り、当社の業務はほぼパソコンを使っていませんでした。
今回のテーマ、受注〜出荷指図〜出荷の業務フローは、

  1. 受注した段階でノートに受注情報を記入、
  2. 出荷前に紙の在庫表を横に置いて出荷指図書を手書きし在庫を消し込む。
  3. 送り状を1件1件手書き、
  4. 出荷後は出荷台帳を別ノートにつけていく。

この流れをずっと紙と手でやっていました。
(なんならカーボン紙で複写していたことも付け加えたいぐらい)
平成の終わりまで。

まず抱いた感情は、「ノートに書いたデータでどうやって集計してるんだ?」ということです。
受注残がどれだけあるのかや、商品別、取引先別の売上集計などといった数字に関して管理や分析をしてないのかな・・・と。


経理だからというわけではないけど、仕事をする上では数字の全体像を掴みそこから詳細に落とし込んでいって把握するというのが個人的なやり方なので、どうしてもノートでそれは不可能だということでまずそこからなんとかすべきだなと思っていました。

ひとつひとつのkintone化

これらのアプリは当社がkintoneを導入して間もない頃にアプリ化したものでした。
データベースの共有と数字の把握が当初の目的で、

  1. 受注ノートに記入していた項目をそのままフィールドにし、受注残の明細、金額の合計、その日の出荷予定の明細が確認できる一覧を作成
  2. 出荷後、出荷台帳アプリに入力していき、krewDataで商品別・取引先別・出荷先別の売上集計を更新するフローを作成。
  3. 受注アプリの必要項目をアプリアクションでコピーし在庫を引当てる出荷指図出力アプリを作成。

3つのアプリを作成し、これでこの業務のkintone化がひとまず完了したわけです。

点から線へ

一つ一つのアプリを見てみると、特に何か機能を持たせたわけでもなく、ただノートの情報をkintoneに替えただけのアプリでした。


最初からワークフローを意識してアプリ作成していれば・・・とも思いましたが、結果として最初はシンプルなアプリを作成していたのがよかったのかもしれません。
当時はkintone SIGNPOSTはなかったけど、2-20「小さなリリース単位」にはこう書いてあります。

kintone.cybozu.co.jp


「業務アプリのリリースは、小さい単位で提供する。」
デジタル元年を迎えたばかりの当社にとってまず優先すべきは「kintone慣れ」することでした。


紙からデジタルに移行する、それだけでも壁を作ってしまう人もいます。そういう方たちにいきなり多くの機能を盛り込んだアプリでスタートすると、kintoneそのものを拒否されてしまう可能性もあります。

全員が、「kintoneへの入力」や「kintoneで確認」が当たり前の業務になるまでそれなりに時間はかかりましたが、アプリ構成がシンプルであったことが結果的にいい方向に進んでいったのかもしれません。

これはkintoneに限った話ではありませんが、
業務改善は小さなことの繰り返しです。
業務の一つ一つ、点の改善がいくつも起こっていきます。

やがてその点と点が線で繋がる、繋げられる、繋げなければならない時がくることがあります。
小さなことが大きな改善になった時の達成感は大きなものですが、そう簡単にいくものではありません。


新たな課題が次から次へと生まれ、こっちを満たすとこっちが満たされなくなることで悩まされ、線で繋げるためにせっかく作ったものをまた作り直すこともあります。苦労に見合う見返りがあるとも限りません。
それだけ大きな改善への道は平坦なものではないとわかっているんです。

 

 

それなのにどうして私たちは、


誰に頼まれたわけでもないのに、放っておけばいいのに、わざわざやらなくてもいいのに、


どうして私たちは自ら茨の道を選んで改善へと進んでしまうのでしょう…

 

つづく・・・

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