きったんの、その一足が道となる

kintoneを使った業務改善の記録

人に教えること、自分が学ぶためのヒントをくれる言葉

kintoneには、「kintoneで継続的な業務改善をするための道しるべ」として、kintone経験者の考え方やコツを体系的・網羅的にまとめたコンテンツである、kintoneSIGNPOSTというものがあります。

kintone.cybozu.co.jp


kintoneSIGNPOSTは、7つのステップ、44のパターンとそれに紐づくパターン実践ガイドとしてまとめられています。
こういった方法で書かれたものを「パターン・ランゲージ」というそうです。

とある分野における「暗黙的な知識」やコミュニティ内で共有されている「価値観」を言語化・体系化して、活用可能にするための手法

creativeshift.co.jp

今回 #読書の秋 ということで、最近気になっているパターン・ランゲージの中から、「アクティブ・ラーニング支援パターン」を手に取ってみました。

この本は、学校において生徒が学びの主体となりながら成長していくために、教師にできる実践のヒントが45の「言葉」としてまとめられています。

もちろん私は教師ではありませんが、社内での後進の育成を考えるときはもちろん、学びの立場にいる自分の学びに対する姿勢やモチベーションのためにもとてもいいヒントになる、そう思いました。

そこで今回45ある言葉の中から私が気に入ったものを、学びの立場からの目線で紹介したいと思います。

アクティブ・ラーニング支援パターン

学びの主人公

「一人ひとりが学び続ける人生の主人公である」

このアクティブ・ラーニング支援パターンの最初に書かれていることです。

ただ教えてもらうだけの勉強は長続きしないしモチベーションも上がりません。大切なのは教えられることよりも、自主的に学んでいくという意識を持つこと。

勉強の目的を明確にして、日々意識しながら経験を積んでいくことが大切だと思います。
はっきりとした目的意識をもっていれば、何気ない仕事の中にも色々な気付きや発見、考えに繋がっていくのではないかと思っています。


好きの深堀り

「知りたい、わかりたいという欲求に素直になる」


「やらなければならないこと」よりも「やりたいこと」「知りたいこと」を知る経験を積み重ねることで勉強する楽しさを感じることができる。
好だからこそ自主的に学ぶモチベーションにもつながっていくと思います。


学び方を学ぶ

「自分で学んでいくために」


自分の置かれた環境によっては、うまく教えてもらえない場合だってあります。
私は「教わり方」にもこだわりを持っています。
「この人はこういう教え方をする人だからこの人からはここを学んでいく」というように、教えてもらうことをそのまま受け取るのではなく自分の中で何を受けとるのかを考えながら学んでいくべきだと思っています。


自分で決める経験

「結果は、自分で変えることができる」


例えば何か問題が発生したとき、「これはどうすればいいですか?」と聞きに来る人がいます。適切な指示をすればすぐに問題は解決できるのですがその人にとっては何にもなりません。

私はいつも、「ここはこうしようと思うのですがいかがですか?」と聞いてくれと言っています。
自分で解決策を提示すること、そしてそれがいいのか悪いのか、どういう結果につながったのか。
一つそういったことを経験することで、次はこうしてみようといった自主的な学びに繋がるのではないかと思っています。


場を変える

「場所が持つ力を拝借する」


正にこれは実感したことです。
社内からコミュニティに場所を変えただけで、同じ話をしていても返ってくる言葉や想いや熱意が全然違う。
たくさんの方から刺激をもらい、もっともっと勉強したいというモチベーションに変わる。場所が持つ力を実感した一年でした。


最後に


私がパターン・ランゲージを好きになったのは、そこに書かれているのが「答え」や「正解」ではないというところです。

書かれているのは「コツ」や「ヒント」です。
それらを自分の中でどう解釈して、そして実践の中でどう活用していくかを考えながら読んでいくのがとても楽しい。

一回読んで終わりではなく、何度も読み返して理解を深めていく。



私の仕事の一番の課題である後進を育成していくために、その人が自主的に学習をしていってもらえるような教育ができるよう、詰まったときは道しるべにしていきたい、そんな一冊でした。